日本人の国民性として、投資が苦手で積極的になれない人が多いというのはよく聞かれますね。
個人が保有する資産の比率として預金が圧倒的に多いことが知られており、株や投資信託などの投資商品の比率が諸外国に比べてかなり低いのが現状です。
国内投資を活性化させるため国が様々な施策を打っていますので、今後は投資に向かう国内資産が増える予想です。
本章では投資に失敗しないための心得をいくつか見ていきますので、参考になさってください。

損切りの覚悟を持つ

損切りの覚悟を持つ株式などの投資商品は日々値動きの変動があります。
値動きの予想が完璧にできれば誰でも大金持ちになれそうですが、値動き予想は専門家でも難しく予想を外すことはよくあります。
一般の方ならなおさらで、せっかく買った銘柄が値下がりしてしまうこともあるでしょう。
その際、「もう少し待てば値上がりに転じるかも」「ここで売ってしまったら損が出る」という気持ちから手放すことに抵抗を感じることが多いです。
買った時より値下がりした時点である程度の損失が生じているわけですが、ここで売ってしまうとその損が確定してしまいます。
ですから投資家の心理としては今後の値上がりを期待して、売却をためらってしまうわけですね。
しかし売却のタイミングを逃してしまうとさらに値が下がり続け、売るに売れない塩漬け状態となってしまうこともしばしばです。
そうならないよう、損失が小さいうちに売ってしまい、損失をできるだけ小さくおさえることを「損切り」といいます。
損切りを行うタイミングの見定めは正直難しいのですが、一般的に高値傾向にある時点で購入した銘柄で注意が必要で、その銘柄の値動きが下落に転じた時点ですぐに損切に意識を払うべきとされています。
損害が大きくならないよう、ある程度の損失が出るのを覚悟で損切りをしなければならない場面もあるので覚えておいてください。

買いのタイミングを見極める

買いのタイミングを見極める売買差益を狙う投資姿勢の場合、安く買って高く売るというのが基本戦略になります。
問題は最安値の時期がいつなのか誰にも分からないので、「買い」のタイミングの見定めが難しいことです。
気になる銘柄がある場合、どうしてもその銘柄の値動きだけに注目してしまいがちですが、単品銘柄だけを意識していると相場全体の動きを捉えることができません。
相場市場は数多くの銘柄で構成され、これらの値動きには投資市場だけでなく様々な事情が関与しています。
そのため、買いの時期の見定めは市場全体の相場感、空気感を捉えて検討すべきとされています。
市場全体が下落傾向にあり、狙っている銘柄も下落傾向にある場合に購入を検討してみましょう。
ただし、その後相場が上振れすることについて一定の予想が持てることも必要です。購入を決意した場合、市場の動きによってはさらに値下がりすることもあります。その場合に同銘柄を追加購入する検討もできますが、これを「ナンピン」といいます。
ナンピンしてその後値上がりすれば利益が拡大しますが、予想に反して値下がりを続けた場合は被害が拡大するので注意しましょう。

時間に余裕を持つ

時間に余裕を持つ
プロがデイトレードをするようなケースは別として、一般の方が投資をする場合は短期の儲けを狙うのではなく中長期的な目線で捉えるようにしましょう。
特に投資を始めた当初はあれこれ手を出すのではなく、自分が気にいって買った商品がその後どのような動きを見せるのかじっくり観察してください。
これによって実際の値動きを実感できるので、投資に自信を持てるまでは時間に余裕をもって臨みたいものです。

余裕資金で行う

時間に余裕を持つもし現状で生活が苦しい、支払いに追われているなどの事情があれば投資は一旦待ってください。
投資は余裕資金を使って行うもので、余裕がないのに投資に資金を回すのは間違っています。
家計簿を付けて可処分所得を計算し、余裕がある中で幾らかの資金を投資に振り分けるようにしましょう。

分散投資を心がける

分散投資を心がける分散投資とは、同じ性質の投資商品に集中して資金を投入するのではなく、別の性質を持つ投資商品にも適切に資金を振り分けてリスク管理を行うことを言います。
株式、国内債券、国外債権、不動産、投資信託など投資商品は色々あり、それぞれ性質が異なります。
それぞれの投資商品には価格変動リスク、金利変動リスク、デフォルトリスク、インフレリスク、為替変動リスクなどがあり、一つの投資商品に集中して資金を投入してしまうと、万が一リスクが顕在化した場合に大損が出てしまいます。
投資対象を分散しておけば、ある投資商品で損が出ても他の商品で損失をカバーできます。
実際に分散投資を実行するには様々な投資商品の知識が必要となるので、自分で勉強したりセミナーなどに参加して知識を付けていきましょう。

まとめ

この回では投資に失敗しないための心得ということで、いくつかのポイントを挙げて見てきました。
これからは現金だけに頼っていると物価高などでインフレリスクに対応できないことも考えられますから、少しずつでも投資の勉強を始めておくことをお勧めします。
興味が無いと投資を身近に感じることはなかなかできないかもしれませんが、普段から投資の情報に接しておくと自然と身近に感じられるようになります。
可能な範囲で構いませんので、ぜひ知識吸収に努めてください。